なぜ私たちはお金のことを学ばずに大人になったのか
考えてみてください。「学校でお金の勉強、ちゃんとやったでしょうか?」
もしこの記事を読んでいる方が、かつての僕のように「やっていないな」と感じているなら、同じような後悔を抱えているかもしれません。
私は大人になって株式投資を始めたことがきっかけで、独学でお金の勉強を始めました。そのとき最初に感じたのは、
「なぜ、人生にこれほど関わることを、誰も教えてくれなかったのだろう」
という衝撃と、過去の自分へのもどかしさでした。
三角関数や歴史の年号は学びましたが、私たちが毎日関わる「お金」についてはほとんど教わりませんでした。母親に「無駄遣いはだめ」「貯金しなさい」と言われたくらいです。昔の日本では「お金の話は汚い」「人前でするべきではない」といった風潮がありました。その結果、私たちは知らないまま社会の荒波に放り出されてしまったのです。
だからこそ、お金の勉強は義務教育に組み込まれるべき、非常に重要なテーマだと僕は思います。これは「大金持ちになる方法」を学ぶことではなく、「お金の仕組みを知り、自分や家族を守り、人生の自由度を高めるための護身術」を学ぶことです。
若いうちに知識を身につければ、時間を味方にできます。知らないことで損することは計り知れません。例えば、銀行に預けているだけでは物価上昇(インフレ)によって資産は目減りします。将来の年金や税金の仕組みを知っているかどうかで、数十年後の資産に大きな差が出るのです。
お金の哲学1:労働収入から資産収入へ ” 時間を味方につける複利の力”
多くの人は「働いて得る給料」が中心の生活かと思います。これを労働収入と呼びます。
労働収入は、自分の時間と労力を対価として得るものです。
一方で資産収入とは、働かなくても資産自体が働いて得ることのできる収入のことです。株の配当、投資信託、不動産の家賃収入などがこれにあたります。
1. 労働収入と資産収入の違い
- 労働収入:自分の時間と労力を売って得る収入
→ 例:会社の給料、アルバイト代
→ 働かなければ増えない - 資産収入:自分が働かなくても、お金や資産自体が働いて生む収入
→ 例:株の配当金、投資信託の分配金、不動産の家賃収入
→ 時間が経つほど複利で増えることもある
<資産収入具体例>
- 100万円を年利5%で投資 → 年に5万円の収入
- その利益を再投資すると、翌年は105万円×5%で5万2500円…と雪だるま式に増える
- 労働収入のように「働いた時間=収入」ではなく、資産自体が収入を生む仕組み
<ポイント>
- 若いうちから少額でも始めると、複利の力で将来の資産を大きく育てられる
- 資産収入を増やすことは、時間を味方につけて経済的自由を得る第一歩
そして、資産収入の力を最大化するのが複利です。
利益を再投資することで元本だけでなく利益にも利息がつき、時間が経つほど雪だるま式に増えていきます。
例えば年利5%で100万円を運用した場合…
| 期間 | 単利 | 複利 |
|---|---|---|
| 1年 | 105万 | 105万 |
| 10年 | 150万 | 162.8万 |
| 30年 | 250万 | 432.1万 |
図の通り、長期になるほど複利の効果は大きくなります。
若いうちから少額でも始めることが、人生を豊かにする第一の哲学です。
お金の哲学2:消費と浪費の間にある投資を意識する
お金の使い方は大きく3つに分けられます。
- 消費:生活に必要な出費(家賃、食費、水道光熱費など)
- 浪費:無駄な出費(衝動買い、際限のない課金など)
- 投資:将来、自分に利益をもたらす出費
お金の勉強をしていない方は、「消費」と「浪費」はわかっても、「投資」という概念は曖昧になりがちです。
人生を豊かにするには、この「投資」を広い意味で理解することが大切なのです。
特に注目していただきたいのは自己投資です。
自己投資とは「未来の自分を育てる肥料」
自己投資は、自分という植物に与える肥料や水みたいなものです。種類によって育つ場所や効果が違います。
- 知識への投資(読書・勉強・資格)
→ 「土を耕す肥料」- 土壌が良ければ植物(自分のスキルや判断力)が健康に育つ
- 読書や勉強で知識を増やすと、仕事や生活での選択肢が広がる
- スキルへの投資(セミナー・語学・プログラミング)
→ 「強い幹を育てる水」- 幹が太くなると、どんな風雨にも負けない
- スキルがあると昇進や副業など、収入の幅も広がる
- 健康への投資(睡眠・運動・食事)
→ 「太陽の光」- 栄養や運動で体が元気だと、集中力や持続力もアップ
- 健康は、すべての活動の基盤
- 経験への投資(旅行・挑戦・人脈作り)
→ 「広い庭に植えるスペース」- 色んな経験を積むことで、視野が広がり、新しい芽(チャンス)が育つ
- 人脈や経験は、後で思わぬ形で実を結ぶこともある
自己投資は「自分という植物を育てること」。
何にどれだけ時間・お金・努力を注ぐかで、将来の実り方が大きく変わるってことです。
無駄な浪費を削り、その分を将来の自分を助けてくれる資本に振り向けることが、特に若いうちは重要です。
将来の自分のための自己投資はとても大切です。
お金の哲学3:リスクを恐れるのではなく、コントロールする
投資に消極的になる理由の多くは「リスク」に対する不安です。「持っているお金が減ってしまうのはいやだ」そう思うのは当然です。
しかし、リスクを知らないまま何もしないことこそ、最大のリスクなのです。リスクをとらなければ何も始まらないからです。
リスクとは「不確実性の幅」です。恐れるのではなく、コントロールする努力をしましょう。
リスク管理の基本は2つです。
- 分散:「卵を一つのカゴに盛るな」
- 地域や国、資産の種類(株式、債券、投資信託など)を分けることで、損失の影響を抑えます
- 長期・積立:時間でリスクを減らす
- 毎月決まった額を投資(ドルコスト平均法)
- 高いときは少なく、安いときは多く買える
特に若いころから始めることが最強なのです。長期で積み立てることで、価格変動のリスクを軽減し、将来の自由度を高めることができます。もちろん40代、50代でも遅くはありません。
まとめ:学んで損はありません
お金の知識は、一度身につければ生涯にわたって自分自身を守ってくれます。
この記事で紹介した3つの哲学を心に留めてください。
- 労働収入から資産収入へ – 複利を味方に
- 消費と浪費の間にある投資 – 自己投資を優先
- リスクはコントロールするもの – 分散と長期積立で資産を守る
知ること、そして行動することが、人生を変える最初の投資です。
年齢に関係なく、学ぶことに遅すぎることはありません。今の小さな一歩が、数十年後のあなたの人生を大きく変えるのです。



コメント
よき