スイングトレードにおいて、銘柄選びはとても重要です。
誰だって「勝てる銘柄を教えてほしい」「確実に利益が出るものを知りたい」と思うでしょう。
ですが、残念ながら“絶対に勝てる銘柄”というものは存在しません。
市場は常に動き続け、未来を完全に予測することは誰にもできないからです。
僕たちにできるのは、これまでの値動きやデータに基づき、「勝てる確率が高い銘柄」を選びにいくことだけ。
そして最終的な判断と責任は自分自身にあります。
だからこそ、銘柄選びの質がトレードの結果を大きく左右します。
この記事では、スイングトレードの勝率を上げるために役立つ銘柄選びのヒントをわかりやすく解説します。
感覚や勘ではなく、根拠のある判断で銘柄を選べるようになれば、トレードの再現性は飛躍的に高まります。
1. 大前提:長期と短期で市場を「分離」する戦略的な役割
投資家は、資産の役割と市場の特性に応じて、長期と短期で市場を分離する場合があります。
1-1. 長期(未来の土台)は「米国株」を選ぶ戦略的な役割
- 役割
複利の力を最大限に使って、将来の資産の土台をしっかり作ること。 - 合理性
国力や企業の継続的な成長を評価し、米国市場の成長性に期待する投資家は多くいます。
また、ドル建て資産を保有することで、資産全体の為替リスク分散につながります。 - NISAとの活用
NISAの積み立て投資枠を用いて、手数料が比較的安い米国株ETFなどに積み立てることは、長期投資のコスト最適化の一例です。
僕が長期投資で米国株をすすめるのは、株式市場の規模の大きさ・資金の流れ・企業の質や規模、どれを見ても、米国が圧倒的に中心です。
また、経済成長には若い労働人口が欠かせませんが、その点でも日本よりアメリカのほうが圧倒的に優位です。
将来にわたり経済が拡大しやすい土台があるからこそ、長期的な成長を狙うなら米国市場が最有力だと考えています。
1-2. スイング(短期~中期)の利益は「日本株」を選ぶ戦略的な役割
- 役割
資金を動かせる状態に保ちながら、短期で利益を狙い、その利益を長期的な資産作りの元手に回すこと。 - 判断基準:情報に触れるスピード
スイングトレードでは情報の速さが重要です。
日本国内に住む投資家の場合、国内企業のニュースや流行などの”生きた情報”に触れる機会が比較的多く、情報を把握しやすい環境が整いやすいと考えられます。
この「情報に触れるスピード」という優位性は、スイング戦略の判断材料の一つとして活用できると思います。 - コストの優位性
国内株式は実質無料(ゼロ革命など)で取引できるため、取引回数の多いスイングトレードの費用対効果を高めやすいというメリットもあります。
日本にも優良企業はたくさんあります。トヨタや三菱、ソニーなどがその例です。でも、これから伸びそうな企業を自分で調べて、優良銘柄を探すのも楽しみの1つでおすすめです。
この分離戦略は、あくまで投資判断の整理のための考え方です。銘柄を推奨するものではなく、最終的な判断はご自身の目標やリスク許容度に基づき行ってください。
2. スイングで勝つための「銘柄選びの3大原則と実行の指標」
銘柄選定の不安を解消し、戦略に合う銘柄を見つけるための客観的な基準を見ていきます。
原則 1:出来高(流動性)重視 — 約定の確実性を最優先
| 🔑 キーワード | スリッページ回避 |
| なぜ必要? | 出来高が少なすぎると、設定した値段で注文が通らない(スリッページ)リスクが高まります。自動売買の精度を保つために、スムーズに売買できる銘柄を選びます。 |
| 実行の指標(判断目安) | 多くの市場参加者が目安とするラインは、1日の平均出来高が50万株以上とされています。(100万株を超えるとより安心)。 |
| 具体的な行動 | 証券アプリなどで、過去3ヶ月の平均出来高を確認し、この数値を判断材料にする人もいる、と覚えておきましょう。 |
1日の平均出来高確認手順
- 「銘柄詳細」画面から「チャート」タブを開きます。
- 期間を「日足」に設定します。
- チャートの下部にある出来高の棒グラフを見て、直近3ヶ月の日次出来高の推移を目視で確認します。
- 特に直近の出来高が多いか少ないかを判断材料とします。
※iSPEEDアプリ上で正確な3ヶ月平均を計算するのは難しいため、通常は以下の方法でおおよその値で判断します。
- 直近の出来高が基準(50万株〜100万株)を安定して超えているか?
- 出来高の棒グラフが、過去3ヶ月を通して極端に低い日がないか?
この確認で、銘柄の流動性が高い(スリッページしにくい)かどうかを判断できます。
原則 2:トレンド性重視 — 勝率を高めるロジック
| 🔑 キーワード | 高値・安値の切り上げ |
| なぜ必要? | 銘柄に明確な「方向性(トレンド)」がある方が、設定した利確ポイントに到達しやすい傾向があります。 |
| 実行の指標(確認ポイント) | 見るべき指標はシンプルに2点です。 |
| ポイント1 | チャートで、直近の高値と安値が、両方とも前回よりも切り上がっているかどうか。(これがトレンド継続の最も基本的なサインです) |
| ポイント2 | 株価が25日移動平均線(MA)の上側にあるかどうか。 |
| 判断: | これらが揃っている状態を、自動売買の候補としてチェック。 |

このチャートはとてもわかりやすい例です。
これほどきれいな上昇トレンドを描く銘柄はなかなかありませんが、こうした形のチャートをした銘柄が理想的です。
ただし、必ずしも株価が上がり続けるわけではないことは覚えておく必要があります。
原則 3:ニュース・イベント周辺の回避 — 予測不能なリスクを避ける
| 🔑 キーワード | ノイズの排除 |
| なぜ必要? | 決算発表や大型ニュースは、決まりやルールを無視して株価が大きく上下します。自動売買の設定が通用しなくなる「ノイズ」を避けることがリスク管理です。 |
| 実行の指標(行動例) | 決算日周辺は特に要注意。多くの投資家は、四半期決算発表の周辺を避けて取引を行う行動をとることが多いです。 |
| 具体的な行動 | 証券アプリのニュース機能や企業カレンダーで、直近で株価を大きく動かしそうなイベントがないかを事前にチェックし、リスクを避ける判断をします。 |
※ニュースはどんなに注意して見ていても、突然大きな情報が出て対応が間に合わないことがあります。
しかし、決算発表日は事前に分かるため、あらかじめチェックして準備することが可能です。
3.まとめと行動:銘柄選びの不安を「実行」に変える」
銘柄選びは、主観的な勘ではなく、出来高・トレンド・情報接触速度など、客観的な基準に沿って整理可能です。
この3大原則に基づき、複数の候補銘柄リストを作成することをおすすめします。
次のステップとして、銘柄リスト作成後は、具体的な注文設定を「最終確認チェックリスト」記事で確認してください。
このチェックリストは設定ミスを防ぎ、ご自身の資産を守るための重要な防御策となります。
ぜひ活用してください。
そして、スイングで得た利益をどう使いますか?
利益を最大化し、長期資産を加速させる「複利加速戦略」の仕組みはこちらです。



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