日本円は貯金だけじゃ危険!円安時代を生き抜くための「お金の置き場所」

NISA・制度活用

日本に住んでいる私たちにとって、給料も預金もすべて「日本円」で持つのは当たり前でした。

しかし、ここ数年の急激な円安によって、“日本円だけに頼るリスク”が誰の目にもハッキリと見えるようになりました。

たとえば、1ドル=110円の時代から160円にまでなれば、海外の商品は約1.5倍の値段に跳ね上がります。その結果、輸入品やエネルギー価格の上昇が私たちの生活を直撃しています。

この厳しい現実が示すのは、日本円だけで資産を守る時代はもう終わったということ。

海外の資産を持つ人は円換算で資産が増える一方、円だけの人は購買力を奪われ、取り残されてしまう…そんな「逆転現象」が起きている今、私たちは「これからのお金の置き場所」を真剣に見直す必要があります。

この記事では、「日本円オンリーで資産を持っている人向け」に、円安のリスクと、未来の自分を守るための具体的な資産防衛戦略をわかりやすく解説します。


なぜ円安は“日本円だけ持つ人”にとって危険なのか

円安とは、シンプルに言えば「日本円の購買力(価値)が下がる」ことです。

たとえば、1ドル=100円のときに買えたアメリカのハンバーガーを、今は1ドル=160円払わないと買えない。同じハンバーガーを買うのに、より多くの円が必要になっているのです。

危険な「二重の損失」

日本は、食料、エネルギー(原油)、そして製品の原材料の多くを輸入に頼っています。

  1. 損失①:生活の苦しさ円の価値が下がると、輸入コストが増大し、それが商品の価格に上乗せされ、私たちの生活費がどんどん圧迫されます。
  2. 損失②:資産の目減りさらに恐ろしいのは、日本円の価値が下がっても、銀行預金の金額は1円も増えないことです。

海外に資産を持っていた人は、円換算すると何もしなくても資産が増える一方、円だけしか持っていない人は、何もしないほど生活が苦しくなる…この「何もしないリスク」こそが、円安時代最大の危険なのです。

円安時代の大前提:お金は“国を分散”して守るもの

これからの時代、資産防衛の基本は、お金を「1つの国に集中させないこと」です。

なぜなら、各国の政策や経済成長率はまったく違うからです。

銀行預金は「日本経済への全ベット」

現在の円安の最大の原因は、日本と海外(特にアメリカ)の「金利差」にあります。

  • アメリカ(高金利): お金を預ければ高い利息がつくため、投資マネーが集中しドルが買われる。
  • 日本(超低金利): 利息がほとんどつかないため、投資マネーが流出しが売られる。

つまり、日本円の預金だけで資産を持っている状態は、「日本という1つの国の金利、経済の将来に、あなたの資産すべてを賭けている」ことと同じです。資産を守るためには、この「日本一点張り」の状態から抜け出し、アメリカという強い経済圏にも一部を置いておくという考え方が欠かせません。

具体的なお金の置き場所①:強い通貨「外貨(ドル)」を持つ

日本円だけに依存するリスクを減らす最もわかりやすい対策は、米ドル(USD)を持つことです。

なぜ「米ドル」を持つべきか?

  • 世界最強の基軸通貨: 世界で最も取引され、決済に使われているため、信用力が極めて高い。
  • 「逃げ先」としての機能: 世界で戦争や金融危機など「何かあったとき」に、世界中の資金が逃げ込む先として機能する。

ドルを持っておけば、仮に今後も円の価値が下がっても、あなたの資産の一部はドルによって価値が守られる(円換算ではむしろ増える)状態がつくれます。

ドルの賢い持ち方

持ち方メリットデメリット・注意点
銀行の外貨預金手軽に始められる為替手数料が高い傾向がある
証券口座でドルを買う手数料が安い(ネット証券)証券口座の開設が必要
NISAでドル建て投信を持つ非課税で運用できる(最強)ドルそのものではなく「ドルで運用される商品」を持つ形

具体的なお金の置き場所②:海外資産に投資する(新NISA活用)

ドルを持つことの次に重要なのが、「ドルで運用される資産を持つこと」です。これが、円安の恩恵を最も享受しやすく、長期的な資産形成に直結します。

代表的な商品が、投資信託というプロが運用してくれるパック商品です。

  • S&P500(アメリカ大型株500社)
  • 全世界株式(オールカントリー、通称「オルカン」)

これらの海外資産を持つことで、あなたの資産に以下のメリットが生まれます。

  1. アメリカや世界の成長を取り込む: 日本の成長率に左右されず、勢いのある国々の成長を享受できる。
  2. 円安対策: 投資先の資産はドル建てなので、円安になればなるほど、円に戻したときの価値が増える。

NISAで買うと「最強」になる理由

新NISA制度は、この海外資産への投資のために国が用意した優遇制度と言えます。

  • 非課税: 運用で得た利益(増えた分)に税金がかからない。
  • 長期で放置しやすい: 毎月自動で積み立てれば、感情に左右されず長期投資が可能。
  • 少額からOK: 毎月100円や1,000円といった少額から始められます。

これこそが、難しい知識がなくても「日本一点張り」のリスクから脱出する、最も強力で手軽な方法です。

具体的なお金の置き場所③:円資産でも持っておくべき種類

「円安対策」と言っても、「日本円は一切いらない」ということではありません。日本に住む以上、円は生活の土台として不可欠です。

円で持っておくべき役割は、「使うためのお金(安全資産)」です。

  • 生活防衛資金: 病気や失業など、万が一のために必要な生活費の3〜6ヶ月分。これはすぐに引き出せるよう、普通預金や定期預金など、元本割れしない安全な形で置いておくべきです。

ただし、“将来のために増やすお金”と“使うお金”は役割を明確に分けましょう。

  • 円: 「使うため」のお金(生活費、近い将来使う資金)
  • ドルや海外資産: 「増やすため」のお金(将来のための資産、退職金など)

この役割分担こそが、リスクを下げ、円安に振り回されない家計を作る秘訣です。

まとめ:日本一点張りは卒業。未来の自分を守るための行動を

円安が続く今、日本円だけの資産は、非常にリスクが高い状態にあることを理解することがスタートラインです。

  • 円安で円の価値が下がり、購買力が奪われる。
  • 海外のものは高くなり、生活が苦しくなる。
  • 海外資産を持つ人だけが恩恵を受ける構造が続く。

この流れは、私たち個人の力で変えることはできません。だからこそ、「日本円だけで資産を持つ」という時代は終わったと断言できます。

未来の自分を守るために、今日からできる対策はたった3つです。

  1. ドルを少し持つ(外貨預金や証券口座を利用)
  2. 海外資産(投資信託)をNISAで持つ
  3. 円資産は“使うお金”にしぼる

ほんの一歩の行動で、今後の円安や世界の変動に振り回されない「強い家計」をつくることができます。未来の自分を守るために、ぜひ今日、行動に移してみてください。

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